猫による火災事故を防ぐ|仏壇のロウソク・ストーブ・洗濯物は本当に危険

猫は悪気なくジャンプしたり、物を倒したりします。火がある場所では、それが火災につながることがあります。
猫による火災事故は「まさか」で起こる
猫は高いところにジャンプします。 仏壇の上、棚の上、出窓、テーブル、ストーブの近く。 人間が「そこには行かないだろう」と思っている場所にも、猫は普通に上がります。
そして猫は、物を倒すことがあります。 前足でちょんと触ることもあれば、着地の勢いで物にぶつかることもあります。
それがぬいぐるみや小物なら、落ちて終わりです。 しかし、火のついたロウソクやストーブの近くでは話が変わります。
猫が悪いわけではありません。 猫はいつも通りに動いただけです。
危ないのは、猫が動く場所に「火」や「燃えやすい物」があることです。
猫を飼っている家では、火を使う場所の考え方を変える必要があります。
「人間が気をつける」だけでは足りません。猫が触っても、倒しても、火災にならない環境にしておくことが大切です。
一番怖いのは、仏壇のロウソクを消し忘れて寝てしまうこと
猫がいる家で特に注意したいのが、仏壇のロウソクです。
仏壇にロウソクを立てて火をともすことは、昔からある習慣です。 しかし、猫がいる家ではかなり危険です。
たとえば、夜に家族が仏壇にロウソクをともしたあと、火を消し忘れて寝てしまう。 その夜中に猫が仏壇へジャンプする。 着地のときにロウソク立てにぶつかる。 火のついたロウソクが倒れる。
これだけで、火災になる可能性があります。
仏壇まわりには、燃えやすいものが多くあります。
そこに火のついたロウソクが倒れれば、あっという間に燃え広がる危険があります。
夜中の火災は、猫も人間も逃げ遅れる危険がある
火災で怖いのは、炎だけではありません。 煙も非常に危険です。
夜中に火災が起きた場合、家族が寝ていて気づくのが遅れることがあります。 猫も同じです。
猫は火事になったら自分で逃げると思うかもしれません。 しかし、完全室内飼いの猫は、外へ逃げる道を知りません。 ドアも窓も自分では開けられません。
煙に巻かれたり、パニックになって家具の裏や押し入れに隠れてしまったりすれば、そのまま逃げ遅れてしまう可能性があります。
猫を守るためにも、火災を起こさないことが一番大切です。
猫がいる家で特に危険な状態
猫を飼っているなら、仏壇のロウソクはLEDにした方がいい
猫を飼っている家では、仏壇のロウソクは本物の火ではなく、LEDロウソクに変えることをおすすめします。
最近は、仏壇用のLEDロウソクやLED線香もあります。 見た目はロウソクや線香に近く、火を使わずに使えるものです。
もちろん、昔ながらの習慣を大切にしたい気持ちは分かります。 しかし、猫がいる家で本物の火を使う場合、常に「倒れるかもしれない」「火が移るかもしれない」と考える必要があります。
特に高齢の家族がいる場合、消し忘れも起こりやすくなります。
毎日のことだからこそ、火を使わない形に変えてしまうのが一番安全です。
猫のためだけでなく、地震対策としてもLED化は有効です。
猫が倒さなくても、地震でロウソクが倒れれば火災になる可能性があります。火を使わない仏壇まわりにしておくと安心です。
地震でロウソクが倒れる危険もある
仏壇のロウソクは、猫がいなくても危険があります。
たとえば、ロウソクに火をつけているときに地震が起きた場合です。 揺れでロウソク立てが倒れたり、近くの紙や布に火が移ったりする可能性があります。
日本では地震がいつ起きてもおかしくありません。
「今まで大丈夫だったから」 「短い時間だから」 「少しだけだから」
そう思って火をつけたままにしていると、思わぬ事故につながります。
猫のジャンプ、家族の消し忘れ、地震。 どれか一つでも重なれば、仏壇のロウソクは火災の原因になります。
冬はストーブまわりにも注意
冬になると、ストーブを使う家庭もあります。
灯油ストーブ、電気ストーブ、セラミックヒーター、カーボンヒーターなど、種類はいろいろあります。
この中で「電気ストーブなら火を使っていないから安全」と思っている人もいるかもしれません。 しかし、電気ストーブでも火災は起こります。
むしろ電気だから安全だと油断しやすいところが危険です。
電気ストーブは、本体の前面が非常に高温になります。 そこに布団、服、タオル、洗濯物などが接触すると、発火する危険があります。
猫が洗濯スタンドを倒して、ストーブに洗濯物がかかる危険
猫がいる家で特に注意したいのが、部屋干しの洗濯物です。
冬は室内で洗濯物を干すことがあります。 そして、ストーブの近くに置いた方が早く乾くと思ってしまうことがあります。
しかし、これはとても危険です。
猫が走り回ったり、洗濯スタンドに飛び乗ったり、ぶつかったりして、スタンドが倒れることがあります。 倒れた洗濯物がストーブにかかれば、火災につながる可能性があります。
猫に悪気はありません。 遊んでいただけ、ジャンプしただけ、通り抜けようとしただけです。
それでも、ストーブの近くに洗濯物があれば、火災の原因になってしまいます。
ストーブまわりで絶対に避けたいこと
灯油ストーブより電気ストーブの方が安全、とは言い切れない
灯油ストーブは、火を使うので危険に見えます。 一方で、電気ストーブは火を使っていないように見えるため、安心してしまいがちです。
しかし、火を使っていないように見えても、電気ストーブの発熱部分は高温になります。 衣類や布団、紙などが近づけば、発火する危険があります。
東京消防庁の過去の資料でも、ストーブ火災の中で電気ストーブが多くを占めていたことが紹介されています。 「電気だから安全」と考えるのではなく、燃えやすい物を近づけないことが大切です。
特に猫がいる家では、人間が置いた場所のまま物が動かないとは限りません。 猫が走ったり、飛び乗ったり、物を落としたりすることを前提に考える必要があります。
猫だけを残してストーブをつけっぱなしにしない
寒い日に、猫のために部屋を暖かくしておきたい気持ちは分かります。
しかし、猫だけを部屋に残してストーブをつけっぱなしにするのは危険です。
特に、電気ストーブや灯油ストーブのように本体が高温になる暖房器具は、猫の行動と相性がよくありません。
猫の留守番中に暖房を使うなら、エアコンの方が安全性は高いです。
エアコンなら火を使わず、床に高温部分が出ません。 もちろんエアコンにも故障や設定ミスはありますが、ストーブよりは猫が直接触れて火災になるリスクを減らせます。
冬の猫の暖房は、エアコン中心に考える
猫がいる家では、冬の暖房はエアコン中心に考えるのがおすすめです。
どうしても足元が寒い場合は、ストーブを使いたくなることもあります。 その場合でも、猫が近づけない工夫が必要です。
「少しだけなら大丈夫」と思っても、火災はその少しの油断で起こります。
猫は人間の予定通りには動きません。 そこを前提に、暖房器具の使い方を決めることが大切です。
火災を防ぐために、猫の行動範囲を見直す
猫の火災事故を防ぐには、火を使わないことが一番です。
それに加えて、猫の行動範囲を見直すことも大切です。
猫は高いところへ行くために、段差を使います。 椅子、棚、箱、ソファ、仏壇の横の台。 人間から見るとただの家具でも、猫にとってはジャンプ台になります。
仏壇に上がってほしくない場合は、叱るより先に、上がりにくい環境を作ることが大切です。
住宅用火災警報器も確認しておく
火災を起こさない対策が一番大切ですが、万が一に備えることも必要です。
住宅用火災警報器が正常に作動するか、定期的に確認しておきましょう。
電池切れや故障で鳴らない状態では、夜中の火災に気づくのが遅れてしまいます。
猫は火事になっても助けを呼べません。 飼い主が早く気づける仕組みを作っておくことが、猫を守ることにもつながります。
猫がいる家の火災予防チェックリスト
今日から見直したい火災対策
まとめ|猫がいる家では「火を使わない工夫」が一番安全
猫による火災事故は、猫が特別に悪いことをしたから起こるわけではありません。
仏壇にジャンプする。 棚の上に乗る。 洗濯スタンドにぶつかる。 部屋の中を走る。
どれも猫にとっては普通の行動です。
しかし、その近くに火のついたロウソクや高温のストーブ、燃えやすい洗濯物があれば、火災につながる危険があります。
特に危険なのは、夜に仏壇のロウソクを消し忘れて寝てしまうことです。 猫がロウソクを倒せば、家族も猫も逃げ遅れる可能性があります。
猫を飼っているなら、仏壇のロウソクはLEDロウソクにする。 線香もLED線香を検討する。 冬の暖房はエアコン中心にする。 ストーブの近くに洗濯物を置かない。
こうした対策は、猫のためだけではありません。 家族の命と家を守るための対策でもあります。
「うちは大丈夫」と思っているときほど、危険な場所を見落としていることがあります。
猫との暮らしで後悔を減らすためにも、家の中の火の使い方を一度見直してみてください。


